問いの“余白”

余白を残した問いかけ、とでも言おうか。大事な助言というのは言葉少なく、数年経ってから「あの時のアレはこういうことだったのか」と思い至るようなものが少なくない。 他者の助言一つで即変わる程人は単純に出来ておらず、問いを内面化し自分の言葉で解を…

大陸的想像力、海洋的想像力

東南アジア人は日本に比し圧倒的に国際感覚を備えていると見受けられる。 エスタブリッシュメントが教育水準の高い英米に子息を送るのを好むということに加え、欧米人、華僑、印僑をはじめとする異邦人らとの交通と融和の地であったという史実がメンタリティ…

知性の多様性

知性のあり方には様々な方式がありうる。引出しが多いに越したことはないが、一方でオールラウンダーである必要はない。 他人を評価するとき、自分が慣れ親しんだ規範によって専断的な態度で接することだけは、厳に慎むべきである。これは(広義の)マネージ…

矛盾の包容

"謙虚な傲慢"や、"柔軟な我流"など、そういう一見すると相反する素養を兼ね備えていることが人間性に奥行きを与えるのだと思う。 これは所謂アウフヘーベン(止揚)を言っているのではなく、むしろ矛盾する概念を矛盾するままに包容するということだ。 論理…

才能と持ち場

身も蓋もないようだが、世の中は才能だとつくづく思う。 私的な縁を振り返っても、その分野の誰もが知るようなプロのスポーツ選手やミュージシャン、あるいは20代半ばで最高学府助教に登用される才能もいた。自分自身は決して裕福なコミュニティに属していた…

ステップ関数と複線的な仕掛け

しばしば成長曲線は右肩上がりの1次関数的なイメージで捉えられている。俯瞰で見るとたしかにそうかも知れないが、寄りで見るとむしろステップ関数の形をしているのではないかと思う。 ステップ関数といっているのは、要するに一定の閾値を超えることではじ…

スタートアップ戦略の定石

時節柄、昨年の振返りと来年の計画を考える頃である。その過程で、以前にごく私的なメモとして残していた走り書きが目に入った。「スタートアップ戦略の定石」と些か大層な題がある。 そんな文章を書いたことさえほぼ忘れていたのだが、読み返してみると(多…

縁、ということについて

“縁”ということがよく言われるが、その言葉の意味を最近になってようやく、理解できた気がする。当時は縁がないように思えた出会いが後になって、再び巡り合うということがここ数ヶ月、何度かあった。時機が来たということなのだろう。 思い返してみればこれ…

問いを立てる

人の在り方は、問いを立てることで定まる。歴史の一頁に刻まれるような偉業に人を導いたのは、その固有の状況において彼らが定立した問の抽象度と質にある。 問いとは証明し、または解き明かそうとする対象である。問いを立てる、とは自らが証明し、解き明か…

状況は所与である

人生において、仕事あるいはプライベートに関する話題であるかを問わず、困難な状況に陥るということはままある。更に、ある問題を解決したと思えば別の所でまた新たな問題が起きる。世の中というのは実にうまく調和が取れているものだ。 たかが一個人によっ…

リーダーの発するメッセージ

リーダーシップ論なるものが巷では溢れており、自分もまた相応に、テーマとして一定の関心は払っているが、実地の試行錯誤を通じて自分なりに体得し始めてきたことが幾つかある。 中でも、"(ポジティブな)メッセージを発信し続ける"ことは、(広義の)リー…

種をまく

ブログやツイッターを定期的に更新するようになったのは、ちょうどコロナ禍の影響が本格的になり始めた2020年初旬であり、自戒と備忘の記録を名目としていた。 国際的な往来が事実上遮断された事によって、日本語という言語空間から取り残されたことによる漠…

掛け算と引き算の組織力学

よい組織、よいチームには掛け算の組織力学がある。つまり、自分より優秀な人物を(別け隔てなく)歓迎し、時には引き上げ、巻き込む事で、互いにレバレッジをかけて共通の目的を達成しようという風土があり、それは事業推進においても強力な動力として作用…

成長曲線の射程と傾斜

成長曲線の射程と傾斜、という事を最近よく考える。 これが自分のやりたい事である、という強い目的意識がなければ徹底的に没入する事はできないし主体的な創造性が働く余地はない。自ずと妥協も生まれる。成長曲線を人並み以上にintensifyする理由もない。…

『戦場にかける橋』の実存的矜持

『戦場にかける橋 (原題:The Bridge on The River Kwai)』という映画がある。今から半世紀以上前の1957年に公開され、今なお映画史に残る名作の一つに挙げられる。 題名の「戦場にかける橋」とは、タイ王国のクウェー川に架かるクウェー川鉄橋を指す。第…

六次の隔たり

六次の隔たり、という言葉がある。 相手が世界中の誰であれ(アメリカの大統領であっても)、世界中の人間は「知り合いの知り合い」といった関係を辿れば6人目で繋がるという。ある調査によれば、5人という検証結果もある。いずれにせよ、近いせ世界になるほ…

巨木を切り倒す

事業を創る過程は、巨木を切り倒すという行為に似たところがあるように思う。 人や物事を動かすという事には忍耐を要する。斧で巨木を打ち据えるが如く、手応えがない空白の期間をじっと耐える事ができるか。戦略に対する確信を維持できるか、そもそもそれは…

仕事を任せる/任せられる順序

仕事を他人に任せる/任せられる時、伝えるべき内容には然るべき順序があると思っており、それは以下の3要素によって構成されるというのが自分なりの整理である。 1. Why : なぜやるのか(背景と目的)2. What : 何をやるのか(求める結果)3. How : どう…

はじめに 言葉 越境 海外 ビジョン 直感 機会 使命 懐かしい本棚

思考の強度

仕事上、何か特定の事柄について考えを巡らせ、関係者に報告/共有する際、その思考/仮説は、自分が徹底して考え抜いたと言い得る強度を備えているか。

財務モデリング入門(独学用リンク集)

本ブログについて

その時々で自分がテーマとしている事柄についての整理や日々得た学び等の記録の為、徒然なるままに書き残していこうと思います。内省的な内容が多くなる気がしますが、何かしら目に留めて頂いた方々を益するものとなれば幸いです。 記事内容に関する質問や指…