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思考の型を持つ (3) - 論理と修辞

f:id:Jooomgen:20200607011716j:plain論理(Logic)と修辞(Rhetoric)は、語り(Argument)を構成する2大要素である。

 前者は語り手がメッセージとして伝えたい結論/主張自体(= What)を、後者はそれをどう伝えるかという説得の技術(= How)を指す。

 

論理(Logic)とは何か

論理とは、語りの要素間の関係性を指す。つまり、論理的である(Logical)とは、語りの要素同士が、正常に綻びなく連関している状態を指す。

全体に目を向けると、論理とは論点の集合であり、頂点を大論点(及びそれに対する解)とする、ピラミッド型の階層構造を持っている。したがって、論点とはこのピラミッドを構成する”Yes/No”(或いは、数理的に叙述するなら”1/0”)の分岐を言う。また、とりわけ問題解決の局面においては、上の階層、中でもに大論点(= Central Question)対する影響度が高いものを指して特に用いられる。

また、個別の語りは、「事実(Fact)、導出/理由付け (warrant)、結論/主張 (Argument)」という因果の過程に従って収束していく構造を持つ。

なお、論理的である(Logical)とはあくまでも要素間の関係性についてしか言っておらず、語り(Argument)の正しさ自体とは別個独立のものであり、また正しさを直ちに担保するものではない。むしろロジカルに議論を構成すべきである理由とは、それに依ってはじめて語りの各要素及び結論の妥当性検証が可能になる事にある。

 

修辞(Rhetoric)とは何か

論理が「結論/主張」へと収斂していく論理的連関である事は上に述べた通りである。

一方、修辞(Rhetoric)とはその「結論/主張」をどのように伝えるか、という側面、すなわち相手に自分の「結論/主張」を理解させ、印象付け、記憶させ、行動させるに用いる伝達の技法である。出口汪氏は、これを人間の骨と肉の関係に喩えたが、まさにこの「骨と肉」比喩自体が修辞の典型である。メッセージの骨格を伝えるだけでは味気なく、情動の生き物であるヒトを動かす事はできない。

各論的なテクニックとしては、①例示、②対比、③比喩の3つだけを覚えておけば十分である。詳述は割愛するが、言語学者ソシュールが述べた様に言語(の意味)は差異の体系であり、従って意味の伝達においてもこれらの修辞的技法は強力な効果を持つ、とだけ述べておく。

 

まとめ

人に何かを伝える際、例えば資料作成、プレゼン実施等、文語・口頭の別を問わず、下記の点を意識する。

  1. 論理と修辞の峻別
  2. 論理の構成:①事実、②導出/理由付け、③結論/主張
  3. 修辞の技法:①例示、②対比、③比喩

個別のチェックポイントとしては、例えば以下の様なものが挙げられるだろう。

  • 論理と修辞は意識的かつ明確に使い分けられているか?その区別を発話の中で明確にできているか?
  • 何が大論点、即ち議論すべき本題であり答えるべき問いであるのか、という事が宣言されているか?
  • 全ての語りが、Yes/Noの分岐で構成されているか?
  • 各々の言葉の定義が明確になっているか?
  • 適切な接続詞によって、後続する語りの性質及び前後の関係性が事前に宣言されているか?

 

絶えず上記の原則に立ち返り、自分の語りを構成、推敲する。これが、”伝わる話し方”、”伝わる文章”、或いは"生産的な議論"の為の大前提である。

同時にこれらは、聞き手としての心がけとしても役に立つ。相手の話に耳を傾けながら、彼/彼女は今どこの部分の話をしているのか、論理の構成はどうなっているか、修辞の技法は何を用いているか、という事に意識を配る事は、能動的な聞き手としての欠くべからず姿勢である。

 

 

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