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人を動かす


少し良い話。

 

こちらのトップ大学を主席で卒業した同僚がおり、彼女はフロントをサポートする業務をしている。物静かで淡々としており、前に出るのは得意でないが頭は非常に良い。ただ、少し扱い辛いな、という所もあり、何かを依頼する為に声をかけても目を合わせてくれない事もあった。

だが最近、関係性が一変して良くなった。ある日、彼女が家庭の事情で急遽不在にし、その際彼女は何かあれば何時でも連絡して下さい、と朝一番イントラに書込んだのだが、事態が事態だったので流石の自分も家庭に専念して欲しいと「全て巻取りますので仕事は忘れてください」と個人的に連絡した。折しも或る案件の佳境であり、数百頁の資料を最終化している段階であった。


それ以降、彼女は自分から話かけてくれる様になったし、笑顔も見せる様になった。今顧みれば、自分も諸々余裕がなく、元来が根暗な事もあり、それが少し気難しい彼女との距離を作っていたのだろうと反省した。何かを頼むにしてもどこかで「仕事なんだからやれよ」と態度に出ていたのかも知れない。
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人は決して、経済的合理や法的な契約関係だけで動く機械ではない。この人/社会の為に何かしよう、という情緒が人を強く動かせる。どれ程追い詰められようと、人の情緒に対する想像力まで失ってはいけない。そんな当たり前の事を改めて、肝に銘じた。