自戒と備忘、虚構と酔狂

独白、日々の思考の整理など|金融×経営×東南アジア

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青写真を描く

青写真、と言わんとしているのは「ビジョン」、時には「戦略」と巷で言われているものに比較的近い。そして、この「青写真を描く」という能力こそが、リーダーの素質を決するものだと思う。

  

新しい事業を作る時、まずは自分自身がプレーヤーとして何かしら秀でていなければならないのは言うまでもない。だが、全てにおいて完璧な人など居ないのだし、各々の個性に応じた得意分野、苦手分野もある。様々な人達が共に関わって生きている以上、足りないものは他人に補ってもらうという姿勢が健全なのだ。だが、その中で自分の介在価値は何かという事は常に厳しく問わなければならない。

 

議論の見取り図を示し、論点を宣言する。かつ、それは全体として見た時に一個の統合的な思考に貫かれていなければならない。…と言うと、所謂コンサルティング的なスキルセットに近いように聞こえるが、それは少し違うのだ。

 

喩えるなら、コンサルティング業やアドバイザリー業というのは一般に、白紙のキャンパスを前にする芸術画家の感覚よりはむしろ、美術教室の講師が生徒の作品を手直する時のそれに近い。一定のお作法に従って手を加えれば、それらしい絵にも仕上がるかもしれない。だが、彼等がまっさらなキャンパスを前に、見る人の心を揺り動かすような大作を描く事ができるかといえば、それは完全に別の問題である。

 

何が言いたいかというと、青写真を描くことはとても難しい。そして、一通り出来上がった絵に手を加える方が遥かに楽だし、添削をする立場の方が往々にして賢そうにさえ見える。

 

けれど、「青写真を描く」人がいなければ、一枚の絵すら生まれないのである。